カラクリ屋敷

変なことばかり考えて生きていたので、社会に溶け込めなくなってきました。

きんたま、痒み、除毛にて。

この記事は去年の冬に下書きをして途中で飽きたものです。

 

私は金玉に毛が生えている。

 

今まではそれが普通だと思っていた。

しかし最近生えていない人間もいるということを知った、陰茎の付け根の辺りにだけ生えて、玉にまで侵略をせず留まる臆病者のチン毛があると。

 

いや、臆病者などでは無いのかもしれない。例えばソイツの金玉が比類なき強さを誇っているが故に毛の保護の対象とならないので信頼の上のノータッチなのかもしれない。そんな仮説が頭をよぎった。

 

実際に、人体の毛が生える部位は護るべき対象だと言われている。

 

つまり、金たまに毛が生えている人間は、金玉が弱い人間ということになる。

 

私はとても悲しい気持ちになった。それは、仮定とはいえ、自分のきんたまの脆弱さを示してしまうことになったからだ。

 

そこで私は思い立った、チン毛を剃ろうと。

いや、玉毛のついでにチン毛を剃ろうと。

本命はたまの毛だ。玉の毛を剃れば少しは鍛えられるのじゃないかという希望の為だ。今は毛に守られてぬくぬくと過ごしている玉に試練を与えてやろうと言うのだ。

思い立ったが吉日、足早に風呂場へと向かい、陰部を少し温めてから毛剃りに挑む。

剃るべき毛を確認しながら剃りたいのでジェル状のシェービングクリームを使用する。間違って皮でも切ったら一生の恥となるからだ(筆者は仮性包茎)。

髭を剃る時より倍以上多めにジェルを塗り、初めて自分の息子に刃を当てることへの恐怖を乗り切り一太刀目を入れる。

 

 

痛い!

 

毛が長くて上手く剃れない!

 

ブチブチっと毛が抜けていくのがわかる。剃る、という形ではないことが。

しまった。先に少し切っておかなければけないやつだったのか。事前のリサーチを怠っていた私は、少し後悔をした。普段は短い毛だけを剃っているから知らなかったのだが、長い毛を剃る時は先に少し切っておかなければいけないことを知らなかったのだ。

痛みにビビって手が止まっていると、冬場なのでだんだん身体が凍えてきた。

これは早くに決着見つけなければならない、と思い意を決し、痛みを許容しチン毛へと挑んだ。

しかし、意外にも痛いのは最初だけで、後に剃った毛はあまり痛くはなかった。ジェルはしっかり仕事をしているということだ。

陰茎とへその間の毛を剃り終わったところで、次はきんたまの毛に取り掛かる。金玉はチン毛以上に気を使わなければならない(どちらも陰毛という括りではあるが、生えている場所が、剃る難易度が違いすぎてこの場では違う毛とする。)。

手が震える。これまで生きていた中で金たまに刃を当てたことがないので、脳が分かりやすく危険視号を出してきた。

しかし恐れることはない。

危害を加える訳では無いのだから。シェーバーは敵では無い、刃が5枚ほど付いているが、その刃は傷をつけるためのものではなく我々を優しく撫でるために付いているのだ。

そう心に言い聞かせる、すると少しだけ震えが収まった。残りの震えは単純に凍えから来るものだろう。

恐れるな。

早くしろ。風邪をひくから。

きんたまの下の方(蟻の門渡りに一番近いところ)に刃を当て、上げる。

ガッ

ヒュッ

痛くは無い。しかし、引っかかる感じがある。

きんたまの皺が阻害をしているのだ。

もう少し力を込めたら切れてしまうのではないか?

と心配していたら妙案を思いついた。

それはきんたまの根元をつかみ膨張させた状態にし、皺を無くすという作戦だ。

私はOKサインをつくり、ギュッと玉根(睾丸の根元)

を絞る。

赤ん坊のお手てのようにぱんぱんになった金玉を、本物の赤ん坊に接する様な力で剃る。

先程よりもスムーズに剃れる。

これならいける。玉毛剃りの攻略を見つけた私は、そこからはもう速い速い。今までとは見違える速度で睾丸を撫でていく(ここでの「いく」は剃るの意で、やましい意味では無い。陰部の話をしているので念の為。)

こうしてたまちんのお毛毛をトリミングされた息子はとてもスースーして、初めての感覚だが、どこか懐かしいような気分だった。

それもそのはず。

昔の状態に戻っただけなのだから。

毛が生える前は実感しなかった開放感。毛というアーマーを外した今、改めて感じる。

ただ一つ違うところがあるとすれば色の濃さだけだ。

お久しぶりです。僕はこんなに成長しました。

出来ればあなたも成長して欲しかったけど。

自分のちんぽこを見てノスタルジーに浸る。

これっきりの出来事だろう。

 

こうして、私の初めては終わった。

今まで守られていた私の「それ」は、今は無防備で、しかし、それ故にいつも以上に可愛げがある気がしてくる。俺はこいつを護るという気持ちと、お前も毛に頼らず一緒に強くなろうなという気持ちが湧いてくる。

 

これが「勇気」か、

 

今は定期的に剃ってツルツルの状態を保っている。風呂出たあととかチン毛が濡れてるのが嫌いだから。

あと足毛とかも剃ってる。毛を剃ることの楽しさを知ったから。

銭湯とか行く時少し恥ずかしいけど。

でも趣味でスカートとか履く時こっちの方が気持ちが乗るからトータルではメリットが勝ってる。

この記事を読んだ皆、騙されたと思ってチン毛を剃ってみよう。

そして剃った息子を見せ合おう。

これは、決して自分の私利私欲のためではなく、お互いの士気を高め合うための提案です。一人では続かないモチベーションも複数人でやるとなれば変わってくるはずです。

本当に。疑わないでください。人を疑うことは最も恥ずべきことなのです。恥じなさい。

このボーボー野郎が。

 

 

追伸

先日、久しぶりに、離れて暮らしていた父親と会って銭湯に行くことになった。

服を脱いだ時にツルツルちんぽの事をなんか言われたらヤダから先に剃っていることを伝えたら、父親も全剃りだった。

パパのチンポはパイパンチンポ。

なんだか少し繋がりを感じ嬉しくなって、その後普通に、パパパイパンチンポが嫌になった。

                                    おしり